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南九州


だから少女はその海をみない

初めて心を結びあった

背すじの スラリとした青年の

若い命が沈んでいる海


燃える火をかばいあって

愛することの喜びと

離れていく悲しさに 胸をひたし

ひき裂かれていった その頃の青春


だから少女は その海に行かない

戦いがすぎて

戦いを知らぬ 青年と少女が

裸でたわむれる その海へ


海の底には青年の眸がある

水色のリボンで結んだ 少女の髪を

しっかりと胸の内ポケットに秘めて

国を守るのだと沈んでいった青年の瞳が



...........................


山下千江さんという、大正5年にお生まれになった方が書かれた、詩だそうです(湾岸タイムズ第5号より転載)。



念願だった、南九州。 鹿屋と知覧に行ってきました。


道中に時間が割かれてしまうので、現地にいられたのは正味一日半でしたが、魂をぐらりと揺さぶられるものを幾つも見、出会いました。


この詩に出会ったのも、そのひとつ。鹿屋の航空基地史料館においてあったフリーペーパーの中にありました。

帰りのフェリーで食事中にこの詩を目にしたとたん、涙が止まらなくなって困りました。




93740001.jpg



これは6日の早朝、知覧の街外れから眺めた開聞岳です。

黄砂か春霞か、あるいは最近よく話題になっているPM2.5によるものなのか、前日から遠景がかすんでしまっていますけど、これは私がどうしても心に留めておきたい景色でもありました。



手前に広がる地平は、あるときは雑木林であったろうし、あるときは滑走路、そして今は穏やかな表情の畑にと、時代が変るたびにその姿を変えています。

でもはるかな昔から、この場所からはこうして今となにも変ることなく、薩摩富士とよばれる開聞岳の美しい姿は同じように仰ぎ見られたことでしょう。



鹿屋や知覧をはじめ、九州の各基地から飛び立った特攻機の搭乗員たちは、このシルエットを眼下に捉えながら、あとわずか数十分後に迫った自分の「最後の時」と向き合ったのでしょうか。


それが現実のできごとだった、70年前。


そんな昔のことなど想像もできなくなるほど人はドライに生きられないことを、今回の旅であらためて思い知りました。



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Author:smile
わが家のワンコを溺愛する「わんこおやじ」。
本業(写真店)のかたわらワンコ用スイーツも作っています。

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