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送料無料ということ

10年前までの写真屋が、どこからどういうルートで商品や原材料を仕入れていたかというと、これはどこのお店も似たり寄ったりで、業界専門の卸問屋が全国にいくつかあり、たいがいはそのいずれか1~2社と太い取引関係を結んでいた。

決済は月締めで、注文するものはファックスで流し、問屋さんはその都度すぐに調達、発送してくれていた。


そこに「送料」という観念は存在していなかった。金額の多少に関わらず、たとえ数百円の商品であっても、手間をいとわず送ってくれたものだ。

中には大きな金額の取引も当然あるわけで、それらをトータルに見ていけば、小口の配送であっても元は取れていたからだろう。



だがこの10年で物流が変わり、卸→小売という形態が大きく様変わりしてしまった。

小さな卸問屋は資金難にあえぎ、大きな会社は機動力の乏しさを露呈しつつ、世の中からどんどん消えていくか統廃合の運命におかれる中、コスト管理はどこもとことんシビアになり、やがて小額の商品発注では送料を上乗せするようになっていった。

商品発注はトータルで3万円以上からお願いします。

それ未満は送料がいくらいくらかかります。等々…


考えてみれば、物流にかかるコストはそうとうなものである。

それにあえて目をつむってこられた、それまでの時代が鷹揚過ぎただけのことか。



しかし昨今、そんな時代の流れに逆行するように、ネット通販形式で写真材料その他も「配送料無料」をうたう企業が目立ってきた。


ネット通販の雄、Amazonもしかり、ヨドバシカメラもしかり。

ヨドバシカメラなど、それまでの写真問屋があまり扱わなかったようなレアな用品なども送料無料で送ってくれたりする。それも在庫があるものなら、たいがい翌日には手元に届いてしまうスピーディさだ。

従来の写真問屋など、足元にも及ばない機動力と便利さ。価格においても、問屋に頼っていたころより今のほうがむしろ安かったりする。


このあたりのからくりがわからない。数百円のものを送料無料で送って、利益などどうしたら出せるものだろう。

梱包だって、雑ではない。それに段ボール箱代、輸送にかかるコスト…



企業が戦略的に「送料無料」を打ち出し、ライバルに消耗戦を挑んでいるのであれば、これはどこかに破綻の危険がひそんではしないか。

無理を重ねていくうちに自らの体力を消耗し、いずれ企業が立ち行かなくなるのではないか。


送料無料を有り難がってばかりいるのは、リーズナブルな経済社会を考えたら、あまり歓迎する現象ではないのかもしれない。


と思いつつ、「送料無料」と書いてあるとホッとしてしまうのだが…



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Author:smile
わが家のワンコを溺愛する「わんこおやじ」。
本業(写真店)のかたわらワンコ用スイーツも作っています。

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