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久々の磯釣り

仕事のことや家族の事情もあって、無理やりに押さえつけて封印してきた磯へのあこがれも、いつしか自然消滅的に小さくなり、釣りそのものへの興味もほとんどなくしていた最近の私だったが、親父の忌明けを機にふと、心の隅で熾き火のようになっていた釣りの虫を揺り動かしてみると、眠りこけていた、というかもう目を覚ますことがないと思っていた釣りの虫は、みるみる頭をもたげてきた。


ひと通り準備を整え、餌屋にオキアミの解凍を頼み、紀伊長島の一栄丸渡船に電話を入れる。

「明日はまだ波があるかもしれませんよ」

「上げてもらえる磯でいいです」

そう電話で伝えながら、心の中では大島群礁の一級磯、「コドラ」に上がっている自分を想像していた。
あそこなら足場も比較的よく、足腰に自信のない自分でもなんとかなりそうだったから。


久しぶりの単独釣行、それも磯。 ここ数日、それこそ分単位で気持ちが高揚してくるのがわかるほどだったから、火曜日は仕事を終え家に戻って夕食の後、着替えを済ますとすぐに家を出た。
往路は若いころから通いなれた、シタミチを走っていこう。

幹線の名四国道まで出ると、以前に比べて交通量がずいぶん少ない感じがする。高速網が整備され、そちらを走行する車が増えているからなのだろうか。

松阪を過ぎ、国道42号線を多気町まで来ると、田舎道だった昔の面影はまったくなく、整備された近未来都市のような広い道路に生まれ変わっている。
なぜなんだろうと思いながら走っていると、左手にシャープの巨大な工場が見えてきた。
工場の誘致で、良くも悪くも町はすっかり変ってしまったんだろう。
がらんとした工場正門を過ぎるところで、私は「がんばれ!」とシャープに声援を送った(笑)

近未来都市を過ぎると、あとは昔通ったそのままの山道が続く。
すると不意に霧が立ち込め始め、みるみる視界が悪くなってきた。
鹿が出てくると危ないので、スピードを落としてゆっくり走る。思ったとおり、しばらく走ると対向車線のガードレールのところに大きなお腹をした鹿が横たわっていた。たぶん車にはねられて絶命しているんだろう。鹿も不運だが、当たった車もタダではすまなかったに違いない。

大内山インターのところで国道をそれ、エサを予約しておいた「釣りエサ市場」に立ち寄る。
大きな店内に客は私ひとり。レジの男性も女性も、なんとなく愛想が悪かった。

三原憲作さんの店としてよく知られていた釣りエサ市場だったが、滝原から大内山に移ってからは経営者が代わったらしいということは先日ネット上で知ったことだ。
ちなみにボイルオキアミは3kg一袋が1600円。これが高いのか安いのかはわからないが、「生」に比べたらずいぶん割高に感じるけれど、集魚剤を買わないですむ分、トータルでは財布にやさしいといえるかもしれない。

ただ、はじめてのボイルオンリーの釣り、この3kgだけで釣りをするのが少々心もとなく感じたので、荷坂峠の手前にある「エサ友」でボイルのレンガMサイズを買い足した。弾薬不足の不安を抱えたまま、戦場には行けない。

峠を下り、名倉港の一栄丸に着いたのが午前3時前で、車内で1時間ほど横になる。だけど久しぶりに味わう高揚感でウトウトできるはずもなく、鳥の声で目を開ければもう外はうっすらと白みはじめていた。
ほかの車の釣り客も外に下りて仕度を始めているので私も仕度を整え、受付けをするため玄関をくぐる。

「岐阜の鈴木です。おひさしぶり」

「や~ほんま久しぶりやね。すこし痩せたん?」

船長は私のことを憶えていてくれたみたいだ。

もう20年以上も前の、ここの磯で味わったいろんなドラマが、ついこの間のことのように思えてきた。

55140002.jpg


料金を支払い、総勢10名ほどの釣り師たちは竿ケースやバッカンを両手に、船着き場へ急ぐ。

この海の先に待っている磯に、恋焦がれたひとに会いに来たような気持ちの高ぶりを感じながら、通いなれた釣り人のような、何食わぬ顔をして船へ乗り込んだ(笑)






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Author:smile
わが家のワンコを溺愛する「わんこおやじ」。
本業(写真店)のかたわらワンコ用スイーツも作っています。

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