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おもさげながんす

去年の夏あたりから夢中になって読んでいる、3人の作家がいる。

吉村 昭と熊谷達也、そして浅田次郎だ。

熊谷達也はほぼひと通り読み終えたが、あとの二人は著作があまりにも多く、それがどれも魅力的な作品ばかりなので、いちど読んだものをまた読み返すことのほうが多くなっている。

3人に共通しているものは、得意とする時代背景が幕末から明治維新、そして大正、昭和と続く、激動の時間軸に生きる人々を描いた作品が多いことだろう。

歴史にはまったく疎い私なんかでも、読み進むほどに思わずその時代の中に引き込まれていく。 この3人の書く物語には、並外れた筆の力を感じさせられる。


特に吉村昭と浅田次郎は、物語に情の「あや」を織り込むのがうまい。

吉村昭には訥々と、浅田次郎には鮮やかに、読む者が技を決められていく感じだ。



今年の春、浅田次郎の「壬生義士伝」(みぶぎしでん)を読んだ。
最初は難解な時代小説かなと思いきや、主人公に関わった人々から語られるエピソードで次第に明らかになっていく物語の本質に、いつしか虜になってしまった自分と、テーマのあまりの重さにページを繰るのをためらわせる自分がいた。

「おもさげながんす」

物語の随所に出てくる、主人公吉村貫一郎の言葉だ。


全2巻を読了するまでに親父の死やらなんやらで、2ヶ月ほどかかってしまったが、この作品を映画化したものがあるということで、おとといそれを見てみた。

主演の中井貴一をはじめ、すごい顔ぶれがそろった映画。沖田総司を演じる堺雅人もなかなかのものだ。

う~ん、見ごたえあった。

だけど、原作を読まないまま、いきなりこの映画を見せられて作者の意図が理解できるのは、おそらく千人にひとりもいないに違いない。

やはり原作あっての、映画である。


そんなわけで、私はゆうべからまた壬生義士伝の上巻を取り出し、幕末の混乱の中に身を置きながら、「おもさげながんす」の言葉を捜している。
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わが家のワンコを溺愛する「わんこおやじ」。
本業(写真店)のかたわらワンコ用スイーツも作っています。

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