上品の郷
お昼になり、どこかで腹ごしらえしようということになった。
目指したのは、市街地を少し離れたところにある道の駅、「上品の郷」(じょうぼんのさと)。
ここで女房は地元の農産物を買って帰るという。
日帰り温泉も併設しているからか、平日というのに駐車場はもう満杯のにぎわいだ。
日当たりのいいベンチに腰掛け、コンビニのおにぎりをほおばる。
外のテーブルでそばやうどんをすする人、買い物袋をぶら下げた人、ほとんどが普段着で、観光客然とした身なりの客は探すのがむずかしい。
傷んだわが家で暮らす人、仮設で暮らす人、この施設はそんな人たちのよりどころになっているのかもしれない。
その後、女房が直売所で野菜を物色している間に、私は無料の足湯に入ることにした。
黄褐色に濁った、塩辛いお湯。山梨にある「尾白の湯」に似ている。
お湯を囲んでいるのは私を除いて近郊の人ばかりのようだ。
東北弁が、暖かい。
「この足湯も、震災の後しばらくは行列ができるくらい混んだったけども、最近は無料のバスが遠くの温泉まで運んでくれるようになって、みんな山形の温泉さ行ぐようになってさ。ここもずいぶん空いてきたもんだ」
「じっとしてたって、しかたねぇしな。わしら罹災証明があるから高速道路どこさ行ってもタダだから、あっちゃこっちゃ出かけるのさ」
仙台から来たという76歳と73歳の老人は、お二人とも被災された方なのに、前向きで底抜けに明るいことに、なにか救われ、なにかを教えられる思いがした。
このひとたちの明るさを支えるものは、なんなんだろう。
真っ赤になるまで足湯につかり、老人と別れてから私も直売所で宮城県産の米を買った。
これから向かうのは、東松島市。
幼稚園児のころ、住んでいた町だ。
目指したのは、市街地を少し離れたところにある道の駅、「上品の郷」(じょうぼんのさと)。
ここで女房は地元の農産物を買って帰るという。
日帰り温泉も併設しているからか、平日というのに駐車場はもう満杯のにぎわいだ。
日当たりのいいベンチに腰掛け、コンビニのおにぎりをほおばる。
外のテーブルでそばやうどんをすする人、買い物袋をぶら下げた人、ほとんどが普段着で、観光客然とした身なりの客は探すのがむずかしい。
傷んだわが家で暮らす人、仮設で暮らす人、この施設はそんな人たちのよりどころになっているのかもしれない。
その後、女房が直売所で野菜を物色している間に、私は無料の足湯に入ることにした。
黄褐色に濁った、塩辛いお湯。山梨にある「尾白の湯」に似ている。
お湯を囲んでいるのは私を除いて近郊の人ばかりのようだ。
東北弁が、暖かい。
「この足湯も、震災の後しばらくは行列ができるくらい混んだったけども、最近は無料のバスが遠くの温泉まで運んでくれるようになって、みんな山形の温泉さ行ぐようになってさ。ここもずいぶん空いてきたもんだ」
「じっとしてたって、しかたねぇしな。わしら罹災証明があるから高速道路どこさ行ってもタダだから、あっちゃこっちゃ出かけるのさ」
仙台から来たという76歳と73歳の老人は、お二人とも被災された方なのに、前向きで底抜けに明るいことに、なにか救われ、なにかを教えられる思いがした。
このひとたちの明るさを支えるものは、なんなんだろう。
真っ赤になるまで足湯につかり、老人と別れてから私も直売所で宮城県産の米を買った。
これから向かうのは、東松島市。
幼稚園児のころ、住んでいた町だ。
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