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中村日赤

名古屋第一赤十字病院、通称中村日赤。
全面リニューアルされて、とても近代的な建物だ。
40年前のクリスマスの夜、この病院で妹があの世へと旅立った。これもなにかの因縁だろうか。

9月6日、2度目の診察日。まずはPET検査を受けた。
その結果を待って、担当の呼吸器外科部長、M医師の診察。
19日に入院、手術は20日に決まる。

手術の詳しい説明を別室で他の医師から受け、あとは入院についてのこまごまとした説明を聞いて病院を出たのは夕方近く。疲れた。

だけど、ここまできたら、もうレールに乗ったようなものだ。ゴトン、ゴトンと前へ進むだけ。



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内科から外科へ

「2月に撮ったCTと先日の画像のどちらにも同じように映っていますね。はい、この部分、心臓の手前になります」
「鈴木さんの病名は、縦隔腫瘍。具体的には、胸腺腫といわれるものになると思います」

まだ若い女医さんだが、外科医らしい明快さでてきぱきと説明してくれる。

そして入院の段取り。
手術はこの病院では無理だそうで、先生の薦める名古屋第一赤十字病院に決まった。

内科から外科(呼吸器外科)へ。

ポイントでレールが切り替わるように、展開が大きく変わろうとしている。


女房の支え

考えてみれば、私の体がおかしくなって以来、その災厄はまぎれもなく私の周りの家族にも及び、なにかにつけ私の体調を案じる家族の思いはひしひしと伝わってくる。

いつしか支える立場から、支えられる側へ。

なかでも女房は、本来なら私がしなければいけない諸々の雑事をすべて受け止め、ひとつもいやな顔をせずこなしてくれている。
毎日の店番、家の内外の片付けもの、ゴミ出し、庭の草むしり、町内の行事、家事一切に、要支援1から要介護1に昇格した婆さんの世話などなど・・・おっと、私のマッサージもそうだ。
この8ヶ月あまり、女房の気が休まるときはあっただろうか。

今年になって私に安息の日がなかったのと同様に、楽しいことなど何ひとつないはずなのに、いつもと変わらない笑顔を見せる女房にどれだけ励まされているかわからない。







新たな展開

「鈴木さん、申し訳ないけれど、今までの検査データに見落としがあったようです。精査しなおした結果、呼吸器外科のほうで一度診察していただきますが、よろしいですか」

8月のある診察日、精神科のO先生からこんなお話があった。
2月と3月に撮った胸部CTとMRIの画像に問題が見つかったというのだ。

このまま内科的には問題なし、あとは精神科の領域での治療という流れになんとなくモヤモヤしたものを感じていたのだが、O先生もどうも同じく釈然としないものを感じてくださっていたらしい。O先生からの依頼で、消化器内科部長の先生が動いてくださったのだそうだ。

もう済んでしまったことをもう一度見直してもらうことを他人に依頼するということは、かなり勇気がいる。

「これでなにかいい方向に動いてくれたとしたら、先生は私の恩人ということになりますね」

先生の表情にも、なにか安堵の微笑が浮かんだ。
さっそく呼吸器外科の診察予約を取ってもらう。

来週、なにか流れが変わるのだろうか。

体はあいかわらずだるく、すぐに疲れてしまい、普通の生活が出来ない日が続いている。
夜は気休めのマッサージ器が手放せない。



診断名は、「うつ病」

体に現れるさまざまな症状について、春先から幾多の検査を重ねた結果、どうも内科的にはこれだ!という容疑者がいまだに特定できないらしい。

「消去法で行くと、内科じゃなく、私の受け持ちになる、ということでしょうね」

O先生がそう言い、うつ病と言う言葉を口にされた。


「うつ病」なのか・・・。


言われてみれば、それなりに符合することはいろいろある。
何事にも意欲がわかなくなっているし、目の前のほんの少しの作業がとても大儀に感じたりする。

それにしても、私がうつ病?

なんとなく、サイズの合わない服を着せられたような、微妙な違和感が付きまとう。

24時間付きまとう体のだるさや、いやな汗のかき方、食欲のなさは、すべて「うつ病」のなせる業か?



それでも最近になってやっと肝機能が正常範囲に収まってきたこともあり、精神安定剤と抗うつ剤の処方で、夜間は割合楽な気分で過ごせるようになってきた。

睡眠薬は、ベルソムラ。これオンリー。
夢はたくさん見る。悪夢は、ない。
おいしいものをもりもり食べる夢がけっこう多い。



消えた食欲

3月~4月は、今から思えばまだずいぶん食欲はあったように思う。
卵かけご飯で軽く一膳ぐらいは夕食時に食べれていたのが、5月ぐらいからは固形物をほとんど受け付けなくなってしまった。
24時間空腹を覚えることも食欲が沸くこともなく、TVのグルメ番組など見る気にもならず、今まで好きだった食べ物を口にしても唾液が出てこない。
なんなんだこれ。

体が食べることを拒否しているのか・・・

唯一の栄養源は、病院から処方される経口栄養食「エンシュア・リキッド」のみ。ドロッとした甘ったるい飲み物だ。
一缶で250kカロリー。3缶でも750kカロリーで、本来なら栄養補助的に摂取するものだが、これオンリーで一日のカロリーをまかなおうとすると、一日6缶は飲まないといけない。


一日3~4缶を飲むのが精一杯で、結果、痩せて皴だらけになっていく体躯。
食欲、空腹感はどこへいってしまったんだろう。


3年前、63kg。
昨年暮れ、52kg。
そして今、44kg。
このへんで踏みとどまらないと。

精神科

「あなたの場合いろいろ症状が出ているけど、まずは不眠を何とかしましょう。精神科の先生を紹介するから」

T先生の計らいでこの病院に非常勤で来ておられるO先生の診察が受けられるようになったのは、それからしばらくしてのことだった。



この頃味わっていた不眠のストレスは最悪で、しばしば発狂するのではないかと思えるほど切羽詰っていた。

眠い眠い眠い眠い
寝れない寝れない寝れない寝れない・・・

O先生は週一度の診察の間、いつもじっくり時間をかけて私の症状に向き合ってくれる。

毎週少しずつ薬の処方が変わり、何週間かかけて揉み解すように、力技ながら断片的な眠りがやってくるようになった。


そんな矢先、血液検査で肝機能(GOT、GPT、γ-GTP)が異常な値を示し、薬物中毒の疑いで直近に処方された薬剤はすべてストップがかかる。

「申し訳ないけど、今までのお薬は服用できなくなりました。肝機能が戻るまでお薬なしで過ごさないとなりませんが、我慢できますか?」

一難去ってまた一難。ここはがんばるしかないだろう。

それから約ひと月、また長くしんどい夜を過ごすことになった。

出口はまださっぱり見えない。



翻弄

結局半月間の入院時の検査で引っかかるものは特になく、これ以上仕事を休むわけにも行かないので、あとは通院しながら調べていきましょうということになった。

季節は年度末から年度始めへ。撮影の仕事が立て込んでいるが、立ちくらみや一瞬の失神による転倒、目の前がホワイトアウトしてしまうなど、ひとりではなんともならない状態が続き、女房や娘たちに助けられながらの毎日を過ごした。
体重も減少が止まらなくて、退院時に49kgで愕然としたのが、もう今や47kg台だ。会う人たちから一様に「痩せたね~」と声をかけられる。

風呂場の鏡に映る自分の姿はまさに異形で、アウシュビッツのガス室に送られるユダヤの老人を見ているようだ。

ある夜、内分泌科のT先生から家に電話が掛かってきた。こんな夜間に自分のことを案じてくれていることに感謝しながら数日間の状況を伝え、指示をもらう。「とりあえず、血圧の薬は服用を中止しましょう。そうしないと、あなたが危険だから」

平成30年4月は、最悪のここ数ヶ月の中でも、いちばん最悪の日々だったのは間違いない。


検査そして入院

数度の外来診察ののち、入院してじっくり検査をしましょうということになった。このころになると外来で見てもらうにも一人では無理で、女房に車椅子に乗せてもらっての診察になった。

2月末、撮影の仕事が一段落したタイミングで入院、そして検査が始まる。
胸部CT、MRI、腹部CT、甲状腺エコー、腹部エコー、24時間の蓄尿、神経伝達検査、脳のCTなどなど。

入院の時点で体に現れている症状は次のようなものだ。


強い倦怠感と疲労感

体重の著しい減少

体に力が入らない

食欲なし

不眠 (処方の眠剤いずれも効かず、発汗と倦怠感で気持ちが絶えず落ち着かない感じ)

異常な発汗 汗がべたつく  就寝時、特に手のひらと足の裏

体感温度がいつも低い 適温がわからない

味覚障害 食べるものに苦味を感じる

集中力が続かない 次の行動になかなか移れない

あらゆることに意欲がわかない

手指の硬直 声のかすれ



入院時、いちばん厄介だったのが、汗だった。
室内は適度な暖房が効いており、暑くも寒くもなく快適な環境のはずが、私のシーツの下は汗でびっしょりなのだ。
看護士さんに事情を理解してもらい、シーツの交換など、便宜を図ってもらうほかに、シャワーを毎日浴びさせてもらえるようになった。これはいちいち点滴チューブを外し、防水をしなければならないので看護士さんもたいへんだったろう。


また食事が糖質コントロール&減塩食だったため、ただでさえ乏しい食欲がさらに失せてしまい、入院後半時にはご飯がほとんど喉を通らなくなった。

悪寒と脂汗

2月に入り、困憊しきっていた体にまた新たな症状が加わる。
暖かい部屋の中でも体はぞくぞくするほど寒く、布団をかぶっていると寒さとは真逆の汗が体中から染み出してくるのだ。
普通の汗とは違う、脂汗のような気持ちの悪い汗。

海水を頭からかぶり、生乾きのまま服を着ているような、なんともいえない気持ちの悪さが体を包んでいく。
夜、寝ているときは手のひらと足の裏がその汗でべとべとになり、夜中に何度も手足を洗いに起き出さねばならなくなった。
プロフィール

smile

Author:smile
わが家のワンコを溺愛する「わんこおやじ」。
本業(写真店)のかたわらワンコ用スイーツも作っています。

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